戦後グラフ雑誌と……

手元の雑誌を整理しながら考えるブログです。

2010-08-01から1ヶ月間の記事一覧

60回 飯沢匡のプライド――『アサヒグラフ』と『婦人朝日』

飯沢匡(本名・伊沢紀)は、「アサヒグラフの副編集長に任命されてから、このグラフ雑誌に没頭した。生れつき視覚型の、何でも具体的に物を把握しないと気がすまぬ私には、まことに打ってつけの仕事であったから、仕事が面白くて仕方がないのであった」(『…

59回 『アサヒグラフ』の諷刺路線――副編集長・飯沢匡

1946年からの写真報道は、ふたつの路線に分かれて展開した。そのひとつ、民主主義とアメリカ文化紹介路線の例として、『旬刊ニュース』と『世界画報』を取りあげたが、『旬刊ニュース』は49年に実話雑誌になって終焉。『世界画報』は50年頃(正確な時期不明…

58回 民主主義とアメリカ文化の受容(2)――『世界画報』の場合

『世界画報』(世界画報社、1946年1月創刊、月刊、B5判、本文28ページ、グラビア印刷)は、良く言えば〈信念の雑誌〉、悪く言えば〈独りよがりの観念的な雑誌〉である。それは、民主主義とアメリカ文化の紹介をする一方で、戦争の真実を明らかにし、軍国主義…