戦後グラフ雑誌と……

手元の雑誌を整理しながら考えるブログです。

2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧

33回 ゆるい密度感から脱皮する『太陽』のリニューアル

『太陽』6号(1963年12月号)には、次号からのリニューアルが告知されている。「太陽は強化される●新年特大号予告●」は、「表紙と目次は、そのスタイルをかえ、これまでより読者に親しみやすいものになります」と記す。すでに6号から表紙が光沢のある用紙に…

32回 『太陽』に見える『暮しの手帖』『LIFE』からの影響

『太陽』(平凡社、1963年7月創刊、当初は定価290円)は、「「きりのない百科事典」であると同時に「目で見る詞華集」でもあります」(「創刊のことば」)と自分自身を規定している。毎号特集を組む、ぜいたくな教養志向の雑誌としてのスタートである。。創…

31回 『週刊サンニュース』の血筋を引き継ぐ『太陽』

1940年代アメリカの週刊『LIFE』は、60年代日本の月刊『文芸春秋』に相当する、という感想を、前回述べた。20年という時代の差は、もちろん、日米の経済力の差である。40年代後半の『LIFE』(週刊)の本文は、64ページから144ページくらいだから、同時代の『ア…

30回 『LIFE』は、日本で言うところのグラフ誌だったのか?

『ホープ』(実業之日本社、1946年1月創刊)の『LIFE』風外観は、1年で終った。それからほぼ1年後に、「日本の『LIFE』をつくる」と意気込む『週刊サンニュース』(サン・ニュース・フォトス、8号からサン出版社、47年11月創刊)が登場したが、1年半しか続かな…

29回 娯楽雑誌『ホープ』から、実用雑誌『オール生活』へ

実業之日本社の社史は、「昭和二十六年三月、一時は盛んな売行を見せた『ホープ』が、その後誌勢徐々に後退したところから、六月一日より誌名を『オール生活』と改題し、内容も従来の娯楽雑誌から生活指導雑誌に切りかえて再出発した」(『実業之日本社七十…

28回 方針のふらつく娯楽雑誌『ホープ』の1949-51年

『ホープ』の扉に、岩田専太郎が描く女性のイラストが載るようになるのは、1948年の10月からだ(49年になると、山名文夫のイラストも使われる)。そのころ、表紙が変わる。鮮明な色のバックに、女性のアップが浮かび、店頭で目立つスタイルになるのである。 …