戦後グラフ雑誌と……

手元の雑誌を整理しながら考えるブログです。

8回 『週刊サンニュース』のレイアウト(1)

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『週刊サンニュース』は、名取洋之助が「日本の『LIFE』をつくる」という年来の夢を実現しようとして刊行したものだったといわれている。もちろんそれは、報道写真という仕事の受け皿となる雑誌、という意味だが、『LIFE』のページ数(約60~140頁)には遠く及ばぬ24頁(表紙共)でのスタートであった(段々とページ数が増えるかと思うと逆で、後には、20頁になる)。
また『LIFE』には、1ページ広告や縦4分の1広告などがふんだんに掲載(『LIFE』のレイアウトについては、30回に扱う予定)されたが、経済復興途上にある敗戦2年後の日本で、なおかつ知名度のない新しい版元からの雑誌では、広告収入が当てにできるわけはない。だから、初期の『週刊サンニュース』では、表紙裏(いわゆる表2)や裏表紙裏(表3)、裏表紙(表4)まで記事で埋められ、広告は、足元に小さく入れられるだけだった。
『週刊サンニュース』の少ないページ数の中に多様な記事を詰め込むためには、『LIFE』のように1頁大に写真を使ったり、見開きをまたぐように大きく写真を使うのは無理である。しかし『週刊サンニュース』の横組み時代(1-7号)のレイアウトを見ると、各ページの左右を2分割や3分割にするレイアウトを基本にしていたことがわかる。戦前から横組みの対外雑誌をレイアウトしていた原弘がかかわっていたのだから当たり前だが、結果として『LIFE』によく似た版面になった。『LIFE』のレイアウトの法則が参考になっていたことは、間違いないだろう。

画像は上から、『週刊サンニュース』創刊号(1947年11月12日、オフセット印刷)の18-19ページ。『週刊サンニュース』より後の時代の例だが、『LIFE』49年7月4日号(活版印刷)。『週刊サンニュース』5号(47年12月11日、オフセット印刷)の4-5ページ。『LIFE』47年11月3日号(活版印刷)。